デジタルカメラWEBマガジンデジカメの教科書
TRISEC International,Inc.
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ここまでデジタルカメラのしくみや性能について解説してきましたが、やはり旬な話題ということで、桜の写真の撮り方について一筆、書きたいと思います。
今年は桜の開花が突然にやってきて、関係者の方々は大わらわだと思います。
一方、桜見物の人たちは、この桜の風景をきれいに撮る方法はないだろうか、と思いますよね。
■満開の桜の花が白っぽく撮れちゃうのはなぜ?
桜の花はピンク色であって欲しいものですが、写真に撮ると意外に白いと感じる人も少なくありません。
実は桜(ソメイヨシノ)の花って咲き始めはピンク色ですが、満開に近付くにつれて白っぽく、薄いというか淡い色になっていきます。
多くの人は満開に合わせて花見に行ったり、写真を撮ったりするため、もう白っぽくなっている桜の花を撮る機会が、実は多いんです。
桜の花は、青空をバックにしたり、菜の花と一緒に撮ったり、と、様々な工夫ができます。そこで、お勧めなのが「PLフィルター」。一眼レフ・カメラ等のレンズの前に装着するレンズフィルターです。(C-PLフィルター、サーキュラーPLフィルターも同じ)
PLフィルターはいわゆる偏光フィルターのことで、簡単に言うと、光の反射、乱反射を防ぎ、見たままに近い色を再現してくれる効果があります。
桜や梅など、白っぽい花は太陽光を反射するとより一層、光って白くなったり、白飛びを起こしたりします(花の部分が明るすぎて真っ白になってしまう現象)。
菜の花も同じです。明るい色の菜の花も、太陽光を反射しやすいのでカメラは正確な色を撮影できない場合があります。
また反射した光の影響で、デジタルカメラの自動露出が写真を暗めに補整してしまう場合もあります。
下がPLフィルターを装着した例。空の青さ、花本来の色が写真に
出やすいのが特徴です。
左がフィルターなしで撮影、右がPLフィルター使用
そんなとき、PLフィルターを装着すると桜はピンクに、梅は本来の白に、菜の花は黄色に、そして空は青く、写真に撮ることができるのです。上の例題では、空は一層青く見えて、何より木々や芝生の色がきれいに出ていることに気付くと思います。上のフィルターなしの写真では反射の影響を受けて黒づんで写ってしまっているのです。
PLフィルター使用
PLフィルターはカメラ店やネットで購入できます。
ただし、PLフィルターはカメラのレンズの幅「レンズ径」に合わせたサイズのものを買ってください。
PLフィルターはいろんな場面で利用できるので、ひとつ持っていて損はありません。お勧めです。
大きい写真はスタジオグラフィックスで私が執筆した記事でご覧になれます。
■桜のピンクを強調したい
私が活動しているプロの仕事現場では、白っぽくなってしまった花びらをピンク色に描写したいときは、カラーエンハンサー・フィルターを使うことがあります。
いわゆる色つきのレンズです。
上がフィルターなし、下がPLとMCトワイライトフィルター使用の写真
スタジオグラフィックスというウェブサイトの記事でも書いたのですが、サクラには「MC トワイライトブルー」というフィルターが効果的です。このフィルターは夕焼けや夕景の撮影にも役立つフィルターです。夕焼けや夕景の撮影にも興味がある、という人はこれもPLフィルターと同様、ひとつ持っていて損はないですよ。
お勧めです。(夜景の撮影についてはまたの機械に解説しますね)
■コンパクトデジカメやスマホにも使える
レンズフィルターの多くは一眼レフ用に販売されていますが、レンズの幅「レンズ口径」の小さいコンパクトデジカメやスマホにも使うことかできます。
レンズの前面に手でこうして押し当てて撮れば良いのです(*^_^*)。
いや、カッコイイ使い方ではありませんけれど、その分写真がカッコ良くなればOKじゃないでしょうか?
一眼レフ用に買ったものを流用しても良いですし、スマホしか使っていない人は安いPLフィルターを買って試してみてはどうでしょうか。
写真がグッと魅力的になるはずですよ。
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デジタルカメラの選び方
序章 デジタルカメラの選び方 きれいな写真が撮れるカメラを見分けるポイント
レンズ選びとF値
1. レンズのF値とは? カメラのf値ってなに?
F値で明るいレンズのカメラを選ぶ方法
〜カタログからF値を読み解き、レンズの明るさ性能を知る〜
2.レンズの価格はf値で決まる?
キレイな写真を撮りたいならF値と明るさで選ぶ
撮像素子と解像度
画質の良いカメラが欲しい?
画質でカメラを選ぶなら撮像素子(CMOS/CCD)の大きさを見る
画素数が多いほど画質が低下するのはなぜ?
オマケ(撮影術)
桜の写真をきれいに撮影する方法 〜PLフィルター活用〜
著者: 洋治 神崎
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